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着任のご挨拶

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​小賀 徹 Oga Toru

 平成30年10月1日付で川崎医科大学呼吸器内科学教授ならびに同附属病院呼吸器内科部長を拝命いたしました小賀徹(おがとおる)でございます。謹んでご挨拶を申し上げます。


 私は昭和44年、岡山県境の兵庫県赤穂市で生まれ、中学高校は広島県の修道学園で過ごしました。その後、京都大学へ進み、医学部バレーボール部に所属し、西医体3位になり全医体にも参加するなど、がんばっておりました。卒業後は、呼吸器内科医を目指して、京都大学胸部疾患研究所附属病院、田附興風会医学研究所北野病院で内科研修を受けた後、京都大学大学院へ進み、COPD(慢性閉塞性肺疾患)・喘息の診療と臨床研究に従事しました。このとき、海外のエビデンスに基づく科学的診療を目の当たりにし、日本の呼吸器診療とのギャップに大きな衝撃を受けたことを覚えています。そこで臨床面では、欧米で推奨される標準的治療・検査としての吸入療法やスパイロメトリーの普及に努めながら、研究面では、特にCOPD分野において、呼吸機能に加えて、症状(息切れ・QOL)や全身機能(運動能力など)に基づく多面的評価法を提唱してまいりましたが、これが評価され、ガイドラインの参画など国内外の診療作りに貢献し、洋書に寄稿する機会も得ました。


 その後、京都の呼吸器診療では実績のあった京都桂病院呼吸器センターに勤務することとなり、呼吸器内科医として診療に励んでおりましたが、難病の肺線維症・間質性肺炎の患者を担当するうちに、治療薬の開発や病態機序の解明の必要性を痛感し、再度京都大学大学院へ戻り、博士研究員として神経細胞薬理学教室で基礎研究に取り組みました。細胞や動物の扱いに慣れるのに時間もかかりましたが、当時成宮教授の厳しくもあたたかいご指導により、なんとか論文発表までこぎつけ、残念ながら創薬には至らなかったものの、新規バイオマーカーの提唱など臨床面への応用を成果として得ました。


 平成19年からは、京都大学医学部附属病院へスタッフとして復帰しました。高齢化社会の中で在宅呼吸器診療が重要になってまいりますが、呼吸器内科の中でも専門性が高い領域である呼吸不全・睡眠呼吸障害専門外来を担当してきました。


 呼吸器内科で扱う領域は、肺癌、呼吸器感染症、肺線維症、COPD、喘息・アレルギー、睡眠呼吸障害、呼吸不全、と病態や疾患が多彩です。高齢化や喫煙を背景に患者数は増加し、また生命予後にも直結します。その一方で、呼吸器内科医の不足は日本で問題となっています。呼吸器疾患全般において、大学病院に相応の専門診療や先端医療を提供していけるよう尽力するとともに、本学の理念に則り良い呼吸器内科医を育成するよう取り組んでまいります。呼吸器内科は、疾患上、他科領域疾患との合併も多いですし、COPDでは多職種連携やチーム医療のモデルとなっており、皆様にいろいろお世話になることが多くなるかと存じます。今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

主任教授 小賀 徹

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